小説の書き方の注意点8選|本気で小説を書くなら知っておこう!

小説の書き方の注意点8選|本気で小説を書くなら知っておこう!

小説の書き方の注意点を徹底紹介!

小説書き方注意点冒頭

小説を執筆する際の注意点は、細かいものも合わせると無数に存在しています。また、注意すべきポイントも執筆する小説のジャンルや、ターゲットとする読者の年齢に応じて増えたり変化します。

今回はそんな無数の注意点の中でも、ほぼ全ての小説に共通しているものを8つ紹介していきます。

ちなみに、サイトによっては小説執筆時の注意点としてよく挙げられる、「正しい括弧の使い方」や「段落の使い方」に関してはこの記事ではなく、『小説初心者が絶対に知るべき4つの書き方のポイント』で紹介していますので、良ければ合わせてご覧下さい。

小説初心者が絶対に知るべき4つの書き方のポイント
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同様に注意点としてよく挙げられている、「同じ文章表現を何度も使わない」や「句読点の使い方」については、『小説の書き方のコツ7選|読みやすい文章に必須の知識!』で詳しく紹介しています。興味のある方はこちらも合わせてご覧下さい。

小説の書き方のコツ8選|読みやすい文章に必須の知識!
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てにをは(てにおは)の使い方に注意する

小説書き方注意点てにをは

小説を執筆する際の注意点としてまず紹介するのは、「てにをは(てにおは)」の使い方に注意するというものです。てにをはをご存でない方のために説明をすると、「てにをは」とは古い助詞の呼び名です。現代では助詞の一種である「格助詞」として認識されているケースが多い傾向にあります。

恐らく小説家になろうという夢を抱いたり、現在小説を執筆している方のほとんどは、「文章を書く時は『てにをは』が重要だよ」と耳にしたことがあると思います。これは昔、日本で漢文を読む際に四隅打たれていた「ヲコト点」に対し、それぞれ「てにをは」と当てていたことが由来になっています。

「てにをは」は文章に特定の意味を持たせたり、他の語句との関係を表したりするので、しっかりと理解していると非常にキレイな文章を作れます。

しかし、反対に使い方を間違ってしまうと、文章がおかしくなったり、読者に伝わるニュアンスが変化してしまうのでとても重要です。では以下で早速「てにをは」の使い方について、紹介していこうと思います。

「てにをは」の例文

これは細かく理屈を説明をするよりも一例を見てもらった方がわかりやすいので、まずは下記の二つの文章をご覧下さい。

 

てにをはの例文1
①父が来るはずです
②父も来るはずです

2つの文章はどちらも「父が来る」という行動は一致しています。しかし、上は父一人を指す文章になっているのに対して、下は父と他の誰かを指す文章になっていることがわかるはずです。このように、「てにをは(格助詞)」は使い方次第で文章の意味が大きく変化してしまいます。

この「が」と「も」は「てにをは」の中でも基本中の基本なので、恐らくほとんど方は問題なく理解+実行できているはずです。しかし、「てにをは」の中には使い分けが難しいものもあります。

 

てにをはの例文2
①私は彼のことが好きです
②私は彼のことは好きです

それがこの「が」と「は」です。上の文だと特定の男性のことが、LOVE的な意味で好きという意味になります。しかし下の文は男性のことを、LIKE的な意味で好きという受け取り方の文になるはずです。

 

てにをはの例文3
①お昼はラーメンがいいです
②お昼はラーメンでいいです

また、こちらの「が」と「で」も使い分けが難しい文章になります。上は数ある食事の中からラーメンが食べたいというニュアンスが伝わると思います。しかし、反対に下は本当はラーメンなんか食べたくないけど、「しょうがないからラーメンで妥協する」という印象を受け取るはずです。

この3つの文章からわかるように、たった一文字変化するだけで、文章の意味は大きく変化してしまいます。それを防ぎ、読者に本当に伝えたかったことを理解してもらうには、「てにをは=助詞」の使い方を正しく理解することが必須なのです。

主なてにをは(助詞)の意味や使い方

以下に主な助詞の意味と使い方を紹介しますので、参考していただければ幸いです。

  • が:希望しているものや、好きなものに使うことが多い
    ┗例「私はランニング『が』したいのよ」
  • は:特定のものを区別したり、比較することが多い
    ┗例「ラーメンより『は』うどんが好きかな」
  • で:妥協や決定に使うことが多い
    ┗例「今日の晩ごはんはハンバーグ『で』いいよ」
  • の:特定のものを指す場合に使うことが多い
    ┗例「ボクは君『の』音楽が好きなんだ」
  • に:特定の場所や時間を指す場合に使うことが多い
    ┗例「私はあの桜の場所『に』行きたい」
  • へ:より具体的な特定の場所に対して使うことが多い
    ┗例「私はあの日、父が戦った場所『へ』行きたい」
  • より:比較対象と区別し、より上位を示す場合に使う場合が多い
    ┗例「あなたの剣『より』私の剣が優れている」
  • から:特定の場所や時間と、もう一つの場所や時間を繋ぐ場合に使うことが多い
    ┗例「これから東京から大阪へ行くわよ」

以上が主な「てにをは(助詞)」の使い方になります。これを正しく理解し活用することで、今よりも一歩美しい文章書くことができます。また、ここで紹介した例だけではなく、プロの執筆した美しい文章を読むことでも、より効率的に「てにをは」の使い方を学ぶことができますので、ぜひ色々な本を読んで見て下さい。中には感動するような使い方をしている本もあるはずです。

ら抜き言葉に注意する

小説書き方注意点ら抜き言葉

小説を書く時に注意すべきポイントとして次に紹介をするのは、ら抜き言葉に気をつけるというものです。こちらも例を紹介した方がわかりやすいと思いますので、早速下記に例を載せていきます。

 

ら抜き言葉の例
①「悪いが君には仕事を任せれない」
②「悪いが君には仕事を任せ『ら』れない」
①「これからカレーを食べれるかい?」
②「これからカレーを食べ『ら』れるかい?」

上記の二つの文章があった場合、①がら抜き言葉になります。ら抜き言葉はだらしない印象や、抜けた印象を与えてしまうので、基本的に小説においてはあまり使わない方が良いとされています。

ただ、注意してほしいのはどんな場面でもら抜き言葉を使ってはいけないという訳ではなく、例外のパターンが二つほどあります。一つ目は、キャラによって敢えてら抜き言葉にした方が良い場合です。たとえば「軽い性格の男性」や「ギャルの同級生」「フランクに接してくるお兄さん的存在」といったキャラであれば、堅苦しく正しい日本語を喋るよりもら抜き言葉を話した方が自然な口調になります。

そして二つ目は、場面によってはら抜き言葉を使った方が良い場合があるというものです。たとえば、「なぁ、明日は姉ちゃんは帰れるんだろう?」というセリフがあるとします。

これは形式上はら抜き言葉になってしまいますが、かといって『ら』を足してしまうと「なぁ、明日は姉ちゃんは帰られるんだろう?」という、尊敬語の文章になってしまいます。これでは姉という親しい存在に対する文章としては不適切です。

もしも主人公の生まれが高貴な家で、普段からそういった言葉遣いをしているのなら話は別でしょう。しかし、そうでないならわざわざ身内である姉に対して尊敬語を使う必要はありません。

他にも、「彼ならきっとやれるさ!」という誰かを送り出すようなセリフも、ら抜き言葉だからといって『ら』を足してしまうと「彼ならきっとやられるさ!」という変なセリフになってしまいます。これでは違和感のある尊敬語か、「彼ならきっと(敵に)やられるさ!」という唐突に謎の罵倒を繰り出す展開になり、読者は確実に混乱するはずです。

このように、場合によってはら抜き言葉を使った方が良い場面もありますので、前後の状況をよく見て使い分けるようにしましょう。

二重表現をしないようにする

小説の書き方の注意点二重表現

次に小説の注意点として紹介するのは、二重表現をしないようにするというものです。こちらも具体的な例をみてもらった方がわかりやすいと思いますので、早速下記の例をご覧下さい。

 

    • 頭痛が痛い
    • 上に上がる
    • 朝食を食べる
    • 馬に乗馬する
    • 元旦の朝
    • 約10回ほど

こちらが二重表現の例になります。たとえば「頭痛」という単語には既に「痛い」という意味が含まれているので、これは二重表現になってしまいます。また、「乗馬」という単語も既に「馬」が含まれており、「元旦」という言葉も、同様に既に「お正月の朝」という意味があるので、これらは全て二重表現になってしまいます。

これはプロの作家でもしばしばやってしまうミスで、校正で訂正が入るケースも珍しくありません。以下で他のよくやってしまいがちな二重表現の例と修正例を解説しておきますので、ぜひ参考にして下さい。

 

二重表現の例文
①:共に協力しよう
┗協力しよう
②:不快感を感じました
┗不快感を覚えました
③:補足説明を追加します
┗補足説明をします
④:お湯を沸かします
┗水を沸かします
⑤:一番最後に村を出よう
┗最後に村を出よう
⑥:かなりの被害を受けました
┗かなりの被害にあいました

このように、文章ではなんとなく二重表現だとわかっても、普段の会話では何気なく使ってしまうものも、小説で使うのはNGになってしまうので注意しましょう。

禁則処理をしっかり意識する

小説の書き方の注意点禁則処理

禁則処理とは、行頭や行末に置いてはいけない記号や文字のことを指します。誰が見ても読みやすい小説を執筆する上で、禁則処理は必須の知識です。細かい禁則処理は出版社や担当編集によって微妙な差がありますが、おおまかなものは共通していますので本稿ではそれについて解説していきます。

こちらも説明するよりも一覧を見てもらった方がわかりやすいので、区分ごとの禁食処理を紹介していきます。

 

行頭に配置してはいけない文字や記号
①:閉じ括弧などの終了を示す記号類:)」』}】>≫]
②:句読点類:、。.
③:感嘆符や疑問符など:!?(例外の場合もあり)
④:拗促音:ぁぃぅぇぉ、ァィゥェォ、っゃゅょ、ッャュョ

以上が行頭に配置してはいけない文字や記号になります。文字数などの都合で万が一行頭に来てしまった場合は、1つ前の行の末尾に配置するようにしましょう。

 

行末に配置しては行けない文字や記号
始め括弧などの始まりを示す記号類:(「『{【<≪[

以上は反対に行末に配置していけない文字や記号です。こちらも文字数の関係で行末に来てしまった場合は、次の行頭へ配置するようにして下さい。

専門用語はなるべく使わない

小説の書き方の注意点専門用語

続いて小説を書く時に注意すべきこととして紹介をするのは、『専門用語はなるべく使わない』というものです。作中で専門用語を使うということは、当然あなたはその知識に精通しており、それを物語へ取り入れたいのだと思います。

しかし、当然ですが全ての読者がその専門用語を知っているわけではありません。そのため、何の説明も無しに専門用語が物語で使われた場合、読者は置き去りにされてしまったり、最悪の場合は理解が追いつかなくなり読むことをやめてしまいます。

中には理解しようとその言葉の意味を汲み取ろうとしてくれたり、一度手元の端末やパソコンなどでその用語の意味を調べてくれる方もいるかもしれませんが、恐らくそんな読者は全体の!%も居ません。

たとえばあなたが戦争を舞台とした物語を書きたい場合、時代によりますが戦車が登場することがあるでしょう。そんな時に以下のような文章が登場したとします。

 

「1500m先に『Medium Tank M4』が三両!各員砲撃戦用意!」
 狭い車内に車長の怒声が響き渡るのと共に俺は貼視孔を覗く。すると確かに前方の湿地帯にMedium Tank M4の姿があった。
 俺はすぐにTigerのV12型液冷エンジン「マイバッハHL21OP45」へ火を入れる。排気量21L、600馬力のガソリンエンジンが勇ましい唸り声を上げるが、残念ながらこの重量級の巨体を動かすには十分な出力を持っているとは正直言い難い。噂じゃ最新型は最高出力が700馬力に改良されたHL230P45を搭載しているという話だから羨ましい限りだ。
「主砲装填!」
 そんなことを考えていると砲手のヴァルターが、重厚な金属音と共にTiger自慢の8.8 cm Kwk 36L/56砲へと8.8cmPzGr39被帽徹甲弾を装填した。世界中の戦車の主砲の中でも最も威力があると言われている、この8.8cmPzGr39被帽徹甲弾は1500m先の目標であろうと125mmまでの装甲を難なくぶち抜くことが出来る。前面装甲でも51mmしかないMedium Tank M4であれば容易く一撃で破壊可能だ。

はい。恐らくほとんどの方は専門用語だらけでまるで訳がわからないと思います。一般人の戦車に対する知識は、「自衛隊が使っている戦闘車両」「かっこいい車」「ロボットアニメのやられ役」というのが精々です。

そのため、事前の説明なしで『Medium Tank M4』という単語を出したところで、ほとんどの読者はそれがどんな戦車なのかさっぱりわかりませんし、そもそも戦車だと認識できない方もいます。そのため、こういった専門用語はなるべく使わないのがベストです。

しかし、どうしても使用する必要があったり、作風の関係上使わざるを得ない時があると思います。そんな時は誰にでもわかりやすい言語に変換するか、事前にその用語がどういった意味を持つのかを説明をしましょう。

たとえば極端な例ですが、『Medium Tank M4』を『アメリカ軍の量産型戦車』と言い換えれば、誰にでも「あぁ、アメリカ軍の量産型の戦車が接近しているのか」と理解してもらえます。非常に陳腐な表現になりますが。

また、「1500m先に『Medium Tank M4』が三両!各員砲撃戦用意!」というセリフの後に、主人公の独白で、「Medium Tank M4はアメリカが設計、開発をした中戦車だ。数の上ではこちらを圧倒しているが、その攻撃力、防御力共にTigerと比べると1/3程しかない」といった説明を入れることでも、戦車に詳しくない読者にもどのような車両なのかを理解してもらえます。

専門用語の使い方まとめ

上で紹介をした例は少々極端ですが、専門用語はあまり多用してしまうと読者を置いてけぼりにしてしまうので、基本的には使わないようにしましょう。また、使う際はこのように戦車に詳しくない読者にでもわかるように、説明を入れるのが大切です。

ただし、あまりにも説明を入れすぎたり、毎度毎度1ページにも渡る解説などを入れてしまうとテンポが最悪になってしまうので、説明の文量と頻度はターゲットとしている読者に合わせて適切に行いましょう。

言葉を統一する

小説の書き方の注意点言葉統一 

続いて小説を書く時に注意すべきポイントとして紹介をするのは、「言葉を統一する」というものです。具体的には一つの文中で同じ意味を持つ単語を、別な言葉で表現することを控えましょう。以下に例を紹介していきますので、参照して下さい。

 

誤った文章の例と正しい文章の例1
NG:私は睡眠を取ることにした。なぜなら『就眠』はとても大切だからだ。
OK:私は睡眠を取ることにした。なぜなら『睡眠』はとても大切だからだ。

睡眠も就眠も、単語の意味は同じですが、言葉としては完全に別物です。そのため、このように一つの文中でバラバラな単語を使ってしまうと、文章の統一感や読みやすさが台無しになってしまいます。必ず一つの文中では、同じ意味を持つ単語を統一するようにしましょう。

 

誤った文章の例と正しい文章の例2
NG:「これからスイカを食べようと思うのだが、誰かあの『西瓜』を切ってくれないか?」
OK:「これからスイカを食べようと思うのだが、誰かあの『スイカ』を切ってくれないか?」

この文は単語は同一の物を使っていますが、唐突にスイカが「西瓜」になってしまっています。このような手法は何らかの必然性や、あえて読者に違和感を抱かせたい場合を除いて、基本的には最初に使った方の言葉で統一するようにしましょう。

ちなみに、読者に違和感を抱かせたい場合というのは、「ありがとう、春菜。いや『ハルナ』と呼んだ方がいいか?」こういった文章を指します。このように意図的に呼び方を変えた場合は、読者へ『春菜には秘密がある?』『何らかの異常が起きている?』といった違和感を抱かせることが可能です。そのため、状況に応じてあえて言葉を変えるのはアリです。

 

誤った文章の例と正しい文章の例3
NG:「2時に集合の約束をしたにも関わらず、寝坊をしたせいでボクが家を出たのは三時を過ぎてからだった」
OK:「2時に集合の約束をしたにも関わらず、寝坊をしたせいでボクが家を出たのは3時を過ぎてからだった」

これはわかりやすいですね。算用数字と漢数字は統一しなければ、明らかに違和感のある文章になってしまいます。ちなみに数字はネット小説などの横書き媒体では算用数字を、小説本や同人小説などの縦書き媒体では漢数字を使うのが基本です。

ただし、「第二次産業革命」や「第一次世界大戦」といった固有名詞を使う場合は、縦書きや横書きに関わらず漢数字を使うのがルールなので覚えておきましょう。

人称を統一する

小説書き方注意点一人称三人称

続いて小説を書くときに注意すべきこととして紹介するのは、「人称を統一する」というものです。ご存知の方も多いと思いますが、小説には大きく分けて3つの人称が存在します。

 

  • 一人称
    ┗例:今この場所には私しかいない。一緒にいたエリスとは離れ離れになったようだ。
  • 二人称
    ┗例:私は君(読者)に先に言っておかなくてはいけない事がある。それは、この物語には絶望しか無いという事だ。
  • 三人称
    ┗例:レイジは懸命に走った。しかし、それでもエリスに追いつけることはなかった。

以上が小説における代表的な3つの人称と、その例文です。それぞれの使い方については、後日『人称の決め方と使い方』の記事を作成しますので、良ければそちらをご覧下さい。今回はそんな作中で人称を統一することが、何故小説を書く時に注意すべきなのかを紹介していきます。

人称を統一しなければ、読者が混乱する

結論から言うと、見出しのタイトルの通り、人称を統一しなくては読者が混乱してしまうのです。以下にその例文を紹介しますので、読んで見て下さい。

 

人称を統一していない文章の例
 俺はレイジが鈍い風切り音と共に振り下ろした剣を受け止める。その瞬間、手首に重い痺れが伝わる。やはりヤツの剣の腕は本物だ。これ程の剣戟をそう何度も受け止める自信は正直無い。マサトとレイジは互いに鍔迫り合いをしたまま睨み合っていた。互いの狙いは明白だ。マサトは神速の剣でレイジの喉笛を貫くことを目的とし、レイジはその剛剣でマサトを叩き切ることを目的としている。
 長期戦になればなる程、パワーとスタミナがあるレイジが有利になってしまう。なら、やはり俺は俺らしく神速の剣を使うしかないッ!

こちらの文章は人称が、一人称→三人称→一人称と目まぐるしく動いているので、とにかく読みづらいですし理解もしづらいです。このように、作中で何度も人称を変えてしまうことにはデメリットしかありません。そのため、基本的には作中で描写する人称は統一するようにしましょう。

実は例外もある

上で『基本的には』と書いた通り、実は例外的に人称を変えて描写した方が良い場合がいくつかあります。その中でも特に代表的なのが、悪役やライバル側の物語を描く時です。長編のストーリーを描けば描くほど、何処かのタイミングで悪役の目的やキャラクターを描写する必要があります。

実はそういったシーンで人称を変えるのは、中々に効果的だったりします。たとえば普段は主人公の一人称でストーリーを進めている小説の場合、ページや章を変えてから悪役のシーンに三人称を取り入れることで、読者に対して鮮明に「主人公とは違う」「この敵は強大だ」というイメージを植え付けることができるのです。

 

例:大きな街にたどり着いた時の描写
主人公(一人称)の場合:「とても大きな街で、行き交う人々の顔には活気が満ち溢れていた」
悪役(三人称)の場合:「魔王が拠点としている魔都『バルバトス』は百万人の魔族が住んでいる。都の周囲には親衛隊の指揮の下、常に数十万の魔物が警備をしており、生きて中に侵入した人間はいない」

このように、一人称の場合はあくまで自分の目に入る範囲や知識の範疇でしか街の様子を描写することができません。しかし、悪役のみを三人称にすることで街の規模や人工、軍備がどれくらい整っているのかを具体的な数字で読者に伝えることができます。

あくまで基本的には人称は統一しなくてはいけませんが、使い方次第で色々と描写することができるので、特定の場面に限れば人称の変更は効果的ということを覚えておきましょう。

文末が同じにならないようにする

小説書き方注意点文末

小説を書く時に注意すべきこととして最後に紹介するのは、「文末が同じにならないようにする」というものです。文末に同じ言葉が続いてしまうと、文章は非常に読みづらいものになってしまいます。

読者も同じ文章の「繰り返し」には意外と敏感です。そのため、同じ文末が繰り返されていると「この文章なんか変だな」「この小説は読みづらいな」という感想を抱かれてしまいます。以下に具体的な例を紹介していますので、一度ご覧下さい。

 

文末が同じ文章の例
 私の今日のお昼ご飯はラーメンです。味は醤油味です。チャーシューが特に美味しかったです。値段は780円です。場所は職場から徒歩で5分くらいのところです。

一応文章としては成立していますが、非常に読みづらいですし何より文章に全く面白みがありません。こんな文章では読者は離れてしまうでしょう。そこで文末と文章の一部を変えてみます。

 

文末を調整した文章の例
 私の今日のお昼ご飯はラーメンです。味は醤油味で、チャーシューが特に絶品でした! 値段は780円で、場所も職場から徒歩で5分くらいのところだったので、今後も通ってみようと思います。

いかがでしょうか。文章の内容は全く同じものを表していますが、一部の文末と文章を変えただけで読みやすさが段違いになったはずです。

文末が同じ文章はどうしてもぎごちなく読みづらいですが、このように文末にしっかりと変化を付けることで、文章はかなり読みやすくすることができます。そのため、小説を書くときはぜひ文末にも注意してみて下さい。

小説の書き方の注意点まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は小説を書く時に知っておきたい注意点を紹介していきました。以下にもう一度記事の要点をまとめていますのでご覧下さい。

 

  1. てにをはの使い方に注意する
    ┗文章の意味を正しく伝えられるようになる
  2. ら抜き言葉に注意する
  3. 二重表現をしないようにする
  4. 禁則処理を意識する
  5. 専門用語はなるべく使わない
  6. 言葉を統一する
  7. 人称を統一する
  8. 文末が同じにならないようにする

以上の8つのポイントを守るようにしましょう。そうすることで、あなたの小説は確実に今よりも美しく、読みやすいものへとレベルアップします。特に1の「てにをはの使い方」と8の「文末が同じにならないようにする」は、意識するかしないかで文章の質に雲泥の差が生まれます。

また、『小説の書き方を45の項目に分けて徹底紹介!』では小説の書き方について項目別に紹介をしていますので、ぜひ作品を執筆する際の参考にして下さい。

小説の書き方を45の項目に分けて徹底紹介!
小説の書き方:基本編ノベルコミットでは、元小説書きで現役の編集長である筆者が、4桁を超える作品や記事の編集に携わってきた経験を元に、小説の書き方やテクニックを項目別に徹底的に解説しています。まず紹介する小説の書き方:基本編では、文字通り基本的な小説...

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