小説の書き方の基本中の基本を徹底紹介!
当記事では初心者が小説を書く際にまず知るべき、基本中の基本について紹介しています。
世の中に出回っているほぼ全ての小説は基本のルールを遵守しているため、それを知ることであなたの作品をより読みやすく、そしてより評価される作品に昇華させることが可能ですので、ぜひ執筆の際の参考にしていただければ幸いです。
三点リーダーやダッシュは必ず偶数回使う
小説の書き方の基本としてまず紹介するのは、三点リーダー(…)やダッシュ(―)は必ず偶数回使用するというものです。これは小説を作る上で、まず始めに覚えておきたいルールになります。
この二種類の記号は沈黙や余韻を現したり、長音を演出する際など、文章を書く上で様々な場面で使われるにも関わらず、学校教育では正しい使用法を知る機会がありません。
そのため、ネット小説などを見ていると、これらをできていない作品はとても多いです。ではどうするのが正しいのか、早速具体的な例と共に紹介していこうと思います。
ダメな使用例
- 「はぁ…お腹空いた。故郷で食べた肉の味が恋しいよ」
- 「―既に退路は絶たれた、か。このままでは我々は全滅だ。君はどうするべきだと思う?」
- 「・・・あれ、おかしいなぁ。確かにそこに武器を置いておいたはずなのに」
これらがダメな例になります。この文法の文章はネット小説やSSでは散見しますが、小説の書き方としては完全にNGです。では続いて良い使用例を紹介していきます。
正しい使用例
- 「――既に退路は絶たれた、か。このままでは我々は全滅だ。君はどうするべきだと思う?」
- 「……あれ、おかしいなぁ。確かにそこに武器を置いておいたはずなのに」
- 「はぁ……お腹空いた。故郷で食べた肉の味が恋しいよ」
こちらが正しい使用例になります。では、続いてダメな使用例がなぜダメなのかを説明していきましょう。
まず1と2の文章は三点リーダー(…)とダッシュ(―)が1回ずつしか使われていません。これは上記にある通り、文章を作る上でのルール違反になってしまいます。
どうして一回のみの使用ではルール違反になってしまうのかというと、それは1946年に文部省が発行した、「くぎり符号の使ひ方」という国語施策が関係しています。
同施策では、三点リーダーやダッシュなどのくぎり符号の一部を、偶数回使用することを用例としていました。それがそのまま現代にも広まり、今の出版業界にもルールとして受け継がれています。
そのため、小説を作成する際にこれらの符号を使う際は、必ず偶数回使うようにしましょう。また、より長い沈黙や間を持たせたい時などは
- 「…………アイツが死んだか」
このように三点リーダーを4回使っても問題ありません。むしろ適切な箇所で三点リーダーを4回使うことにより、キャラの心情や場の雰囲気の重さを演出することが可能になります。
ちなみに極端な例ですが、いくら間を現したいからといって、三点リーダーを40回続けてしまうと、読者からすれば読む気の失せる文章でしかないので、使いすぎには注意しましょう。
また、補足として掲載している3の文章は、そもそも三点リーダーではなく中点(中黒)が使用されています。三点リーダーの代わりに中点で「・・・」と表記されている文章は、ネット小説では割と見かけるものの、これは完全に誤用です。
環境によってはこちらの方が見やすく、好む人もいますが、小説のルール的には間違っていますので、使用をするのはやめましょう。
如何だったでしょうか。これらのルールを守れていない作品が多い=あなたが三点リーダーやダッシュを2回使うことによって、ライバルの作品よりも一歩先に行けることを意味しています。なので、あなたの作品が正当な評価を受けるためにも、ぜひ覚えて下さい。
段落の最初は必ず一字下げ(全角空白)を行う
続いて紹介するのは、段落を始める時は必ず一字下げを行うというルールです。これも小説における基本中の基本のルールなのですが、小説サイトによっては横書きのレイアウトが取られていることもあってか、守れていない作品も少なくはありません。
これは例を見た方がわかりやすいので、先ほどと同様に悪い例と正しい例を紹介していきます。
ダメな使用例
- 凍えるような吹雪の日。
ボクは美しい銀髪の少女と出会った。
こちらが悪い使用例になります。明らかに読みづらいし、違和感がありますね。続いて良い使用例を紹介します。
正しい使用例
- 凍えるような吹雪の日。
ボクは美しい銀髪の少女と出会った。
こちらが正しい使用例です。読みやすいですし、小説を読む上でも見慣れているという方がほとんどだと思います。
このように段落を正しく使用することで、文章の区切り目がはっきりとわかるようになります。ちなみに段落を変えるタイミングについては、『小説初心者が絶対に知るべき4つの書き方のポイント』の記事で詳しく紹介していますので、良ければそちらも参考にして下さい。

また、最近ではこれを自動で行ってくれるサイトもあるようです。ただセリフに関しては例外となっているので、こちらも合わせて一例を紹介しておきます。
- ダメな例
「私の手を取りなさい。そうすればあなたの世界は変わるわ」
ボクの前に現れた少女は、血の滴る剣を持ちながらそう言った。 - 良い例
「私の手を取りなさい。そうすればあなたの世界は変わるわ」
ボクの前に現れた少女は、血の滴る剣を持ちながらそう言った。
このようにセリフは段落を下げてしまうと読みづらくなるため、空白を入れる必要はありません。これらのルールを把握しておくことで、よりキレイな文章を作ることが可能です。
感嘆符や疑問符の後には全角空白を入れる
こちらも小説を書く上での基本になります。小説を執筆する際に感嘆符である「!」や、疑問符である「?」を使用した際は、必ずその後ろに全角空白を入れる必要があります。
では、こちらも早速悪い例と良い例を紹介していきましょう。
ダメな使用例
- 「隊長!こちらに敵の増援部隊が接近しています!すぐに撤退しましょう!」
こちらが悪い使用例になります。小説において疑問符や感嘆符は文章の区切りを現すため、使用した後は全角の空白を入れるのが基本です
正しい使用例
- 「隊長! こちらに敵の増援部隊が接近しています! すぐに撤退しましょう!」
こちらが正しい使用例です。読みやすいですし、小説を読む上でも見慣れているという方がほとんどだと思います。
このように段落を正しく使用することで、文章の区切り目がはっきりとわかるようになります。ちなみに段落を変えるタイミングについて、初心者が知るべき小説の書き方の記事で詳しく紹介する予定ですので、良ければそちらも参考にして下さい。
また、最近ではこれを自動で行ってくれるサイトもあるようです。ただセリフに関しては例外となっているので、こちらも合わせて一例を紹介しておきます。
ちなみにこれは地の文においても同様になります。そのため、主人公の心情などを現す際に地の文で感嘆符や疑問符を使った場合も、文章の後ろに全角空白を入れておきましょう。
ただし、感嘆符や疑問符はあまりにも多用してしまうと、安っぽい文章になってしまうので、基本的にはここぞといった場面で使用する程度に留めましょう。
カギカッコの最後に句点は不要
こちらもネット小説などでは時折守れていない方を散見しますが、文章においては基本のルールの一つです。
守れていないと文章の印象が悪くなってしまうだけでなく、小説自体が非常に読みづらいものになってしまうので、必ず守るようにしましょう。では早速悪い例と正しい例を紹介していこうと思います。
悪い使用例
- 「私はアイツと一緒に行動するのは反対だ。どうにも胡散臭い。」
こちらが悪い使用例です。作文を書く際はカギカッコの中に句点を入れるように言われたかもしれませんが、小説でやってしまうのはNGになりますので注意しましょう。
正しい使用例
- 「私はアイツと一緒に行動するのは反対だ。どうにも胡散臭い」
こちらが正しい使用例です。明らかに読みやすくなっていると思います。カギカッコを使用する場合、文の終わりである句点と同様の意味を閉じ括弧が持っています。そのため、句点を文章の最後に付ける必要がありません。
ちなみに、昔の小説では「どうにも胡散臭い。」というように、カギカッコの最後に句点を付けているものもあります。
しかし、現在の小説はもちろん、ほとんどの雑誌やwebメディアなどでも最後に句点を付けない方式を採用しています。そのため、キレイで読みやすい文章の小説を目指すなら、カギカッコの最後に句点は付けないようにしましょう。
小説の書き方の基本のまとめ
如何だったでしょうか。今回は小説の書き方の基本を紹介しました。
- 三点リーダーやダッシュは必ず偶数回使う
- 段落の最初は必ず一字下げを行う
- 感嘆符や疑問符の後には全角空白を入れる
- カギカッコの最後に句点は不要
以上の要素を徹底して執筆をすれば、今のあなたの作品がより良い物になることを約束します。
また、『小説の書き方を45の項目に分けて徹底紹介!』では小説の書き方について項目別に紹介をしていますので、ぜひ作品を執筆する際の参考にして下さい。

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